改訂新版 世界大百科事典 「川南」の意味・わかりやすい解説
川南[町] (かわみなみ)
宮崎県中部,児湯郡の町。人口1万7009(2010)。東は日向灘に面する。近世を通じて高鍋藩秋月氏の支配下にあった。中央部を平田川が東流し,北に唐瀬原,南に国光原の台地が広がる。第2次世界大戦中までは落下傘部隊降下練習場,飛行場など軍用地が多くを占め,戦後に大規模な入植開拓が行われた。畜産を主体に農業が営まれ,米,ミカン,野菜の栽培が盛ん。川南漁港を拠点にして漁業も行われ,就業人口の過半を第1次産業が占めている。農村地域工業導入地区の指定を受けて工業開発も進められている。川南湿原植物群落,川南古墳群(史),宗麟原供養塔(史)があり,宗麟原は大友・島津両氏が1578年(天正6)に戦った古戦場である。海岸線に沿ってJR日豊本線,国道10号線が通る。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報