日本歴史地名大系 「根室港・花咲港」の解説
根室港・花咲港
ねむろこう・はなさきこう
根室市にある重要港湾。もと根室半島北側の根室湾にある根室港と、根室半島南側の太平洋岸にある花咲港が昭和五二年(一九七七)根室港として一体化され、根室港区・花咲港区となる。しかし一般的には根室港区のみをさして、根室港とよぶことが多い。北洋鮭・鱒漁やサンマ漁・イカ漁などの最前線の港として栄えていたが、昭和五二年の二〇〇海里漁業専管規制後、水揚高が減少しつつある。同六二年関税法に基づく開港を根室港区から花咲港区に改め、翌六三年には花咲港区が出入国管理令に基づく出入国港に指定された。平成三年(一九九一)花咲港区の「マイナス一〇メートル岸壁」が完成し、大型客船などが入港可能となった。同四年からロシアとのビザなし交流が始まり、さらにロシアからの水産物の輸入が増加したことによって、同八年に根室港税関支所花咲分庁舎が設置された。根室港の役割は第二次世界大戦終結までは千島への補給港、物資の集散港として、戦後は北洋漁業基地として、現在はロシアとの貿易港として機能し、しだいに役割が変化している(根室港)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報