桜堂薬師(読み)さくらどうやくし

日本歴史地名大系 「桜堂薬師」の解説

桜堂薬師
さくらどうやくし

[現在地名]瑞浪市土岐町 桜堂

土岐町南東部、土岐川東岸の山麓にある。もとは天台宗瑞桜山法明ほうみよう寺に所属していたが、明治初年法明寺は廃絶し、現在は臨済宗妙心寺派信光しんこう寺に所属する。江戸初期成立の縁起によると、当地に医王薬師・生肉如来などとよばれる一寸八分の霊像があり、日吉・月吉という武人がこの像の霊感を受け、当地方の人々を苦しめていた大蛇を退治したという。弘仁三年(八一二)円仁の直弟子覚祐が諸国遍歴の折、当地で霊感を得て虫食いの跡が経文となっていたという桜の霊木で薬師如来を彫刻して生肉如来を胎内に納め、薬師堂を建て安置した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の桜堂薬師の言及

【瑞浪[市]】より

…第三紀層の化石の宝庫でもあり,明世(あきよ)町に化石博物館がある。土岐氏の拠った鶴ヶ城跡,同氏累代の墓所,812年(弘仁3)開基の寺伝をもつ桜堂薬師(瑞桜山法明寺),陶磁資料館などがあり,天然記念物の釜戸ハナノキ自生地もある。【高橋 百之】。…

※「桜堂薬師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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