日本歴史地名大系 「瑞浪市」の解説 瑞浪市みずなみし 面積:一七五・六〇平方キロ県南東部に位置し、東は恵那市・恵那郡山岡(やまおか)町、西は土岐市・可児(かに)郡御嵩(みたけ)町、北は木曾川を隔て加茂郡八百津(やおつ)町、南は恵那郡明智(あけち)町・愛知県西加茂郡小原(おばら)村に接する。恵那山塊の西麓東濃丘陵中を佐々良木(ささらぎ)川・小里(おり)川・日吉(ひよし)川などの支流を集めた土岐川が西に流れて形成した小盆地と、周辺丘陵部からなる。南に屏風(びようぶ)山塊と三国(みくに)山塊があり、北は奥権現(おくごんげん)山(六五六メートル)を最高峰とする日吉高原が広がる。北境は急崖となって木曾川に落込んでいる。東濃丘陵の新第三紀瑞浪層群は豊富な化石を産することで有名。化石は中新世(一四〇〇万年―一七〇〇万年前)の堆積岩中に哺乳類・貝類・サメ・植物化石など約一千二〇〇種にのぼり、明世(あきよ)地区産の明世化石は県指定天然記念物。土岐川沿いにJR中央本線・中央自動車道・国道一九号・瑞浪バイパスなどが集中し、市域を横断している。市域の大部分はかつて土岐郡に属し、南部陶(すえ)地区のみ恵那郡であった。〔原始・古代〕先土器時代の遺跡・遺物についてははっきりしていない。縄文時代の遺跡は二四ヵ所が記録され、なかでも日吉町南垣戸(みなみがいと)の大洞(おおぼら)遺跡で採集されたもののなかには、石皿・叩石・磨石などのほか、石鏃・土器が含まれる。古墳は円墳一二九基・横穴墳五五基の計一八四基が確認されて、瑞浪層の岩壁に穴をうがった横穴墳が多い。明世町戸狩(とがり)の台地端に造られた戸狩荒神塚(とがりこうじんづか)古墳は県内でも最大規模を誇る円墳で、東濃地方を開拓した支配者とのかかわりを示すとも考えられている。同古墳を中心に、寺山(てらやま)・天神洞(てんじんほら)・水(みず)ヶ手(て)・若林(わかばやし)の各古墳群、南山(みなみやま)・虫塚(むしづか)・百田(ひやくだ)・洞田(ほらだ)・段(だん)・天徳(てんとく)の各古墳群、東の釜戸(かまど)町に大島(おおしま)古墳群、稲津(いなつ)町地区には小井戸(こいど)古墳群、日吉町には酒波(さかなみ)・小洞(こぼら)両古墳群があり、分布の密度が濃い。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瑞浪市」の意味・わかりやすい解説 瑞浪〔市〕みずなみ 岐阜県南東部にある市。美濃三河高原のゆるやかな丘陵地を占める。 1954年瑞浪土岐,陶の2町と稲津,釜戸,大湫,日吉の4村および明世村の一部が合体して市制。中心市街地は瑞浪・土岐地区。丘陵地帯には良質の陶土が埋蔵され,茶碗,皿などの陶磁器産業が発達。美濃焼の原産地として有名。特に南東部の陶町では洋食器を主とする輸出用製品を産する。北部の丘陵には旧中山道の遺物が多く,木曾川一帯は飛騨木曾川国定公園に属する。天然記念物のヒトツバタゴ自生地,釜戸ハナノキ自生地がある。鬼岩は名勝・天然記念物。 JR中央本線,中央自動車道,国道 19号線が通じ,沿線に釜戸温泉,白狐温泉がある。面積 174.86km2。人口 3万7150(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by