梅戸御厨(読み)うめどのみくりや

日本歴史地名大系 「梅戸御厨」の解説

梅戸御厨
うめどのみくりや

神鳳鈔」に「梅戸御厨」とみえ、「外宮神領目録」「外宮神領給人引付」(神宮文庫蔵)によれば、毎年六月・九月・一二月に一石ずつ、計三石の上分が外宮に納入されている。また、「神領目録」残闕(同蔵)には「梅戸三石政所」とある。しかし、この御厨は永享三年(一四三一)将軍足利義教により臨川りんせん(現京都市)に寄進された。そして長禄(一四五七―六〇)までにはその支配は有名無実となっていたようで、同二年「伊勢国梅戸大井田之替所」として他の領地が新たに寄進されており、「梅戸大井田」は臨川寺領からはずされている(臨川寺文書)。この「梅戸大井田」については、梅戸御厨と大井田おいだ御厨の意味か、梅戸御厨のうちの大井田か、両様にとれる。さらに梅戸は地名・国人名ともに、梅津と書かれることもあるから、「神鳳鈔」にみえる「梅津御厨二宮各三石、一名小泉」も同御厨をさすと思われ、さらに、その注に従えば、同御厨は小泉こいずみ御厨との呼称も併せもっていたことになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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