梅村速水(読み)うめむら・はやみ

朝日日本歴史人物事典 「梅村速水」の解説

梅村速水

没年:明治3.10.26(1870.11.19)
生年天保13.1.4(1842.2.13)
幕末志士,明治初年の高山(岐阜)県知事。水戸藩士沼田泰誨の次男。名は準,通称準次郎。長兄の死後藩主徳川慶篤に従って上洛し,文久期の尊攘運動高揚に接する。元治1(1864)年の水戸藩尊攘激派(天狗党)による筑波山挙兵には加わらず,脱藩して江戸に出,別途志士活動を展開。明治1(1868)年東山道鎮撫総督府より飛騨国出役を命ぜられた。のち高山県設置とともに初代知事となる。人別米・山方米の廃止,商法局の設置など新政があまりに性急であったため民心の反発を招き,県民蜂起「梅村騒動」により失脚した。なお,同郷の江馬修 は歴史小説『山の民』でこの事件を扱っている。

(高木俊輔)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「梅村速水」の解説

梅村速水 うめむら-はやみ

1842-1870 幕末-明治時代の武士,官僚
天保(てんぽう)13年1月4日生まれ。沼田久次郎の子。常陸(ひたち)水戸藩士。尊攘派として江戸,京都などで活動。慶応4年高山県(現岐阜県)の初代知事となる。その急進的改革に反発した一揆(梅村騒動)がおこり失脚。東京で取り調べ中の明治3年10月26日病死した。29歳。名は準。通称は準次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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