棟門(読み)ムネカド

デジタル大辞泉 「棟門」の意味・読み・例文・類語

むね‐かど【棟門】

むなもん」に同じ。
「―のゆゑゆゑしきが見ゆれば」〈とはずがたり・四〉

むな‐もん【棟門】

本柱を2本立てて棟を高く上げ、屋根を切妻造りにした平入りの門。寺院塔頭たっちゅう公家邸宅などに用いた。むねもん。むねかど。

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精選版 日本国語大辞典 「棟門」の意味・読み・例文・類語

むね‐かど【棟門】

〘名〙 門の一種二本の柱を立て、屋根が切妻破風造りのもの。むねもん。むなもん。むなかど。
今昔(1120頃か)一六「大なる棟門有り」
※高野本平家(13C前)三「棟門(ムネカド)平門(ひらかど)の内に、四五百人の所従眷属に囲饒せられてこそおはせしか」

むな‐かど【棟門】

※天草本平家(1592)一「munacado(ムナカド)、ヒラカド ノ ウチ ニ シゴヒャクニン ホド ノ ショジュウ、ケンゾク ドモ ニ モチイラレテ」

むね‐もん【棟門】

増鏡(1368‐76頃)一三「京極おもてのむねもんに御こしをおさへて、院司ことのよしを奏す」

むな‐もん【棟門】

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世界大百科事典(旧版)内の棟門の言及

【門】より

…屋根は切妻造で正面は1間が普通であるが,旧加賀屋敷御守殿(ごしゆでん)門であった東京大学赤門は,3間の大規模なものである。棟門は(図6)〈むねかど〉とも呼ばれ,本柱2本のみで屋根を支えるもので,社寺や住宅に広く用いられた。平安時代の絵巻には多く見えているが,四足門につぐ格式をもち,住宅では公家には用いられたが,武家では初めは用いられなかったようである。…

【門】より

…屋根は切妻造で正面は1間が普通であるが,旧加賀屋敷御守殿(ごしゆでん)門であった東京大学赤門は,3間の大規模なものである。棟門は(図6)〈むねかど〉とも呼ばれ,本柱2本のみで屋根を支えるもので,社寺や住宅に広く用いられた。平安時代の絵巻には多く見えているが,四足門につぐ格式をもち,住宅では公家には用いられたが,武家では初めは用いられなかったようである。…

※「棟門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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