森田治郎兵衛(読み)もりた・じろべえ

朝日日本歴史人物事典 「森田治郎兵衛」の解説

森田治郎兵衛

没年:延享1.11.3(1744.12.6)
生年:天和3(1683)
江戸中期の機業家。丹後国(京都府)峰山の人。丹後縮緬の創始者のひとり。絹屋佐平治を名乗り,絹織物業を営む。享保4(1719)年,発起して京都西陣織屋奉公縮緬織の技術習得を計って帰郷するがうまくいかず,翌年,西陣秘伝の撚糸技術を持ち帰りはじめて縮緬製織に成功した。織り上げられた縮緬は京都の丹後屋源右衛門に売り込まれ,丹後縮緬の商品化の嚆矢となる。峰山藩も殖産政策の面から縮緬に注目し,佐平治に「お召・縮緬・ちりめんや」の屋号を与え,「森田治郎兵衛」を名乗らせた。江戸中期において,西陣の技術独占を掘り崩した機業家のひとりである。<参考文献>岩崎英精編『丹後ちりめん始祖伝』

(谷本雅之)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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