最新 地学事典 「植物蛋白石」の解説
しょくぶつたんぱくせき
植物蛋白石
plant opal
コケ植物門,維管束植物門などの植物群の細胞組織に非晶質含水珪酸が充塡することによって形成される微小な鉱物。植物起原オパールという意味で,プラントオパール,オパールファイトリス,植物珪酸体などとも呼ばれる。最近では,オパールファイトリス(opal phytoliths)あるいは植物珪酸体が一般的。好珪酸植物のイネ科,カヤツリグサ科,多くのシダ植物は生産量(1~20%)が特に多い。形態は多種多様で,沈積する細胞組織の形に依存する。イネ,ヤシ,カヤツリグサ,バショウ,ランなどの多くの科やシダ植物は特有な形態の珪酸体を多産。花粉が土壌中で分解しやすいクスノキ科(タブノキ,バリバリノキなど)やイスノキ属で特有な形態を示すので,それらの同定に有効。粒径は5~1,000µmで,光学的等方性。屈折率は1.41~1.47と高く,Si以外に少量のAl,Feなどの元素と数%の水と有機炭素を含有。土壌中の珪酸体量は腐植量にほぼ比例し,日本の黒ボク土では数%から最大16%以上を含む。埋没A層や古土壌の識別,現世および過去の土壌生成時の古植生復元,イネ科草原と森林の変遷などの解明に有効。シリコン,ファインセラミックスなどの新素材として利用。
執筆者:加藤 芳朗・近藤 錬三
参照項目:オパーリンシリカ
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

