バリバリノキ(読み)ばりばりのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バリバリノキ」の意味・わかりやすい解説

バリバリノキ
ばりばりのき
[学] Actinodaphne acuminata (Blume) Meisn.
Litsea acuminata (Bl.) Kurata

クスノキ科(APG分類:クスノキ科)の常緑高木。アオカゴノキともいう。高さ15メートルに達する。幹は灰褐色。葉は披針(ひしん)形、長さ12~25センチメートル。雌雄異株。8月に淡黄色の花を開く。漿果(しょうか)は長楕円(ちょうだえん)形で、長さ約1.5センチメートル、翌年の6月に黒紫色に熟す。精油成分を含み、葉や枝が勢いよくばりばり燃えるためこの名があるともいう。千葉県以西の本州から沖縄に分布する。材は建築や家具、器具などに用いる。ハマビワ属Litseaとされることもある。

[門田裕一 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バリバリノキ」の意味・わかりやすい解説

バリバリノキ
Actinodaphne longifolia

クスノキ科の常緑高木。関東南部以西,四国九州,沖縄に分布する。暖地山地に生え,高さ約 13m,枝は太くまばらに分枝する。葉は柄があって互生し,長大な披針形で長さ 20cm内外となり,革質でつやがある。秋に,葉腋から小球状の密集した花をつける。雌雄異株。花は淡黄緑色で,雄花にはおしべが9本あり,雌花にも線状となった仮雄ずい9本がある。液果は径 1cmあまりの楕円形で黒熟する。

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世界大百科事典(旧版)内のバリバリノキの言及

【ハマビワ(浜枇杷)】より

…葉がややビワに似て,海岸に生えるのでハマビワという。 同属のバリバリノキ(一名アオカゴノキ)L.acuminata (Bl.) Kurataはハマビワに似るが,葉がより細く,裏面が少し粉白を帯びる。和名は風にそよぐ葉がたてる音に基づく。…

※「バリバリノキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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