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楽琵琶 がくびわ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

楽琵琶
がくびわ

雅楽合奏に使われるリュート属の弦鳴楽器雅楽琵琶ともいう。全長3尺5寸 (約 106cm) 。曲頸で,他の琵琶に比べ大型であるが,頸部が短い。4弦4柱。日本には8世紀初め,中国より他の雅楽器とともに伝来した。遣唐使藤原貞敏が独奏曲も伝えたといわれるが,すでに失われ,今日では管弦合奏にのみ用いられている。旋律を弾くのではなく,もっぱら拍子をとるように撥 (ばち) でかき鳴らし,分散和音風に奏される。

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デジタル大辞泉の解説

がく‐びわ〔‐ビハ〕【楽××琶】

雅楽器の一。各種の琵琶の中では最も大きく、水平に構えて演奏する。弦は4本。管弦合奏と催馬楽(さいばら)の伴奏に使う。

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大辞林 第三版の解説

がくびわ【楽琵琶】

雅楽器の一。琵琶の中では最も大形で、四弦四柱。膝の上で水平に構えて弾く。管弦合奏に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

楽琵琶
がくびわ

雅楽用の琵琶。正しくは雅楽琵琶。リュート属の弦鳴楽器で、イランに発し、南アジアを経て、奈良時代以前に中国から伝来したものと思われる。当時使用され、りっぱに装飾されたものが正倉院に現存する。西洋ナシの形と、曲頸(きょっけい)の点でアラビアのウードに似ているので、共通の起源をもつと考えることができる。
 後世の他の琵琶類より大きいが、頸部は短く、全長は106センチメートル(=3尺5寸。そのためこの楽器を「三五(さんご)」ともいう)。撥(ばち)はツゲ製で薄くて軽い。弦は絹製で4本、低い柱は4個あり、乗弦のところで弦が一つに寄せられているのが特徴。調弦法は各調によって異なり、現在は六調を用いる。雅楽の管絃(かんげん)合奏では主としてリズムを確立し、分散和音を奏する。音取(ねとり)や止め手の場合には、一つ撥(単音)のみを用いて短い旋律を奏する。平安時代にあった独奏曲の伝統はとだえたが近年復原が試みられている。「巌(いわお)」「神女(しんにょ)」(平安時代)などの銘をもつ名器が伝えられている。[シルヴァン・ギニアール]

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世界大百科事典内の楽琵琶の言及

【雅楽】より

…〈弾きもの〉のうち箏(そう)と琵琶は管絃,催馬楽で使われ(《輪台(りんだい)》《青海波》を除く舞楽では用いない),アクセントの効いた独特の音型で旋律線のリズム感を強調する。後世の俗箏,平家琵琶などと区別するため,とくに楽箏,楽琵琶ということがある。神道系祭式芸能(大和歌を除く)では和琴(わごん)が用いられる。…

【琵琶】より

…曲頸琵琶は主として管絃合奏の中で旋律の節目ごとに分散重音を奏する拍節表示楽器として奏され,対照的に直頸琵琶は声楽曲の伴奏をし,持続低音,句読法的楽句区分,リズム,旋律を奏するのに使われたと推定することができる。曲頸琵琶はベトナムで弾琵琶(ダンテイバ),朝鮮で唐琵琶(タンピパ),日本で楽琵琶と呼ばれる形で,それぞれ変容をとげながら受け継がれた。中国では宋代以後,古い形にとらわれずに新しい琵琶様式をつくりあげていった。…

※「楽琵琶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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