弦鳴楽器(読み)ゲンメイガッキ(その他表記)chordophone 英語

デジタル大辞泉 「弦鳴楽器」の意味・読み・例文・類語

げんめい‐がっき〔‐ガクキ〕【弦鳴楽器】

弦の振動によって音を発する楽器総称構造によりリラ属・ハープ属・リュート属・チター属に、また、奏法により撥弦楽器擦弦楽器打弦楽器に分類される。弦楽器

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「弦鳴楽器」の意味・読み・例文・類語

げんめい‐がっき‥ガクキ【弦鳴楽器】

  1. 〘 名詞 〙げんがっき(弦楽器)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「弦鳴楽器」の意味・わかりやすい解説

弦鳴楽器
げんめいがっき
chordophone 英語
chordophone フランス語
Chordophon ドイツ語

ホルンボステルザックスの楽器分類法(MHS方式)で、2点間に張られた弦で音を出す楽器。弦は2本以上のこともある。共鳴器をもたないか、または共鳴器が発音装置を損なうことなく取り外すことのできる「単純弦鳴楽器またはチター」(箏(そう)、楽弓、ピアノなど)と、胴と共鳴器とが有機的に結合して分離できない「複合弦鳴楽器」に二大分類される。さらに、前者は形状によって、棒状、筒型など六つの類のチターに、後者は弦面と響板の位置関係によって、リュート(バイオリン三味線、リラなど)、ハープ(ハープ、ビルマサウンなど)、ハープ・リュート(西アフリカのカッソなど)の3種に、それぞれ下位分類される。

 また、MHS方式とは別に、ザックスが『楽器の歴史』(1940)で用いた分類法があり、広く利用されている。これによると弦鳴楽器は、弦と胴体、共鳴体などの位置関係から、チター、リュート、リラ、ハープの四つの属に分類される。

 また奏法によって、弓奏弦楽器、撥弦(はつげん)楽器、打奏弦楽器などのように分類する方法も、しばしば慣習的に用いられている。

[前川陽郁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弦鳴楽器」の意味・わかりやすい解説

弦鳴楽器
げんめいがっき
chordophone

弦の振動によって発音する楽器の総称。 E.ホルンボステルと C.ザックスが提起し,広く用いられている楽器の4分類法 (体鳴楽器,膜鳴楽器,弦鳴楽器,気鳴楽器) の第3類で,ツィター属,リュート属,リラ属,ハープ属に4大別される。ツィター属は箏や琴の類で,共鳴胴の形状によって,棒型ツィター,管型ツィター,板型ツィターに分れ,ギリシアのリラやキタラに代表されるリラ属は,箱型リラと鉢型リラに分れる。また種類の多いリュート属は弾奏されるものと弓奏されるものに分れ,ハープ属は楽弓などの弓型ハープとヨーロッパやアッシリアのハープのような竪型ハープとに分れる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「弦鳴楽器」の意味・わかりやすい解説

弦鳴楽器【げんめいがっき】

楽器

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の弦鳴楽器の言及

【楽器】より

…このため楽器学や民族音楽学で楽器を分類する場合は,この3分法でなく,通常ホルンボステルとC.ザックスが《楽器分類学》(1914)で提唱したザックス=ホルンボステル法と呼ばれる分類法を用いる。それによると,あらゆる楽器は,まず体鳴楽器idiophones,膜鳴楽器membranophones,弦鳴楽器chordophones,気鳴楽器aerophonesの4種類に分類され,それぞれがさらに細かく分類される。しかし,この分類法にも弱点が指摘されており,ほかにさまざまな方法が考案されている。…

※「弦鳴楽器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android