デジタル大辞泉 「様なり」の意味・読み・例文・類語
よう◦なり〔ヤウなり〕【様なり】
1 ある事物の性質・状態が他の事物に似ている意を表す。
「荒れぬ日なく降り積む雪にうちながめつつ明かし暮らし給ふ心地、尽きせず夢の―◦なり」〈源・総角〉
2 ある事物の内容が他に等しい意を表す。…と同じだ。
「かぐや姫のたまふ―◦にたがはず作り出でつ」〈竹取〉
3 例示の意を表す。たとえば…のようだ。
「増賀聖のいひけん―◦に
4 (多く「…せむ」「…べし」「…まほし」などを下に伴って「やうに」の形で)願望・意図を表す。
「すべて
5 そういう状態であることを表す。…ありさまである。→ごとし
「わがため面目ある―◦に言はれぬるそらごとは人いたくあらがはず」〈徒然・七三〉
[補説]平安時代から室町時代まで用いられたが、初めは、文章語・男性語的な「ごとくなり」に対し、口頭語・女性語的な語として、和文に用いられた。のち、「ようだ(ような)」となる。