様なり(読み)ヨウナリ

デジタル大辞泉 「様なり」の意味・読み・例文・類語

よう◦なり〔ヤウなり〕【様なり】

[連語]形式名詞「よう」+断定の助動詞「なり」》活用語の連体形体言助詞「の」「が」を添えたものに付く。
ある事物の性質・状態が他の事物に似ている意を表す。
「荒れぬ日なく降り積む雪にうちながめつつ明かし暮らし給ふ心地、尽きせず夢の―◦なり」〈・総角〉
ある事物の内容が他に等しい意を表す。…と同じだ。
「かぐや姫のたまふ―◦にたがはず作り出でつ」〈竹取
例示の意を表す。たとえば…のようだ。
「増賀聖のいひけん―◦に名聞みゃうもんぐるしく、仏の御をしへにたがふらん」〈徒然・一〉
(多く「…せむ」「…べし」「…まほし」などを下に伴って「やうに」の形で)願望・意図を表す。
「すべてをのこをば、女に笑はれぬ―◦にほし立つべしとぞ」〈徒然・一〇七〉
そういう状態であることを表す。…ありさまである。→ごとし
「わがため面目ある―◦に言はれぬるそらごとは人いたくあらがはず」〈徒然・七三〉
[補説]平安時代から室町時代まで用いられたが、初めは、文章語・男性語的な「ごとくなり」に対し、口頭語・女性語的な語として、和文に用いられた。のち、「ようだ(ような)」となる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 連語

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む