横手川
よこてがわ
市東南の平鹿郡山内村の甲山(九四二メートル)および大鈴森(八七〇メートル)に発し、西北流して檜沢で武道川を合わせ、大鈴森に源をもつ黒沢川は落合で松川を合わせ、相野々で横手川と合流する。相野々から蛇行しながら西北流して横手で山地から抜け出し、市街地に入る。街を分断して西北流を続け、この間杉沢川・吉沢川を合わせ、市街地を出て安本から仙北郡との郡境を流れる。市域の北西端黒川字落合では、雄勝郡東成瀬村の山地に源を発する成瀬川(田子内川)から引いた平鹿堰その他の小河川の落水を集めた大戸川(鵜戸川)を合わせ、大曲市角間川地内で雄物川に合流する(河川改修工事により、現在の合流点は大曲市藤木地内に変わった)。全長約五三キロ余。「梅津政景日記」寛永四年(一六二七)八月七日条に「横手より苅羽野迄参候ハんと存候所ニ、横手川・大曲川・神宮寺川まし候て、隙取、神宮寺ニ一宿いたし候」と増水の記述がある。別称も多く「雪の出羽路」に、「黒沢川 古名横川、今いふ桜川、また浅倉川、なめていふ山内川也」とし、前郷字横山(現横山町)の辺りでは「横川」「朝倉ノ城近くは朝倉河(朝桜川の約なり、あさくらならん)」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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