精選版 日本国語大辞典 「横這」の意味・読み・例文・類語
よこ‐ばい‥ばひ【横這】
- 〘 名詞 〙
- ① 横にはうこと。横の方向にはい動くこと。
- [初出の実例]「夏の日にあなくるしやと旅人のよこはひにしてのぼる蟹坂」(出典:狂歌・後撰夷曲集(1672)六)
- ② 物価や相場などがあまり変動のない状態が続くこと。
- ③ カメムシ(半翅)目ヨコバイ科に属する昆虫の総称。体長はふつう三~二〇ミリメートル。一般に頭部が幅広く体の後方は狭まって、多くくさび形をなす。ウンカに似るが、触角は短い糸状で、その基部が太くならない点で区別できる。成虫は夏、灯火に集まり、よく跳躍し、横にはうことが多い。幼虫は植物の液汁を吸うので農作物の害虫となる。稲の大害虫として知られるイナズマヨコバイ、ツマグロヨコバイなど日本には約四五〇種が分布。広義にはウンカ類に含める。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「火影をしたってよこばひが飛んできては」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前)