改訂新版 世界大百科事典 「樺太神社」の意味・わかりやすい解説
樺太神社 (からふとじんじゃ)
サハリン,ユジノ・サハリンスクにあった神社。国家神道のもとで,北海道,樺太,朝鮮,台湾など各地に創建された神社の一つ。日露戦争の結果,サハリンの南半が日本の領有になると,政府は北方の鎮護と国土経営の祈願のために,さきに置かれた札幌神社(北海道神宮)と同じく,大国魂命,大己貴(おおなむち)命,少彦名(すくなびこな)命を祭神とする神社を,樺太庁が置かれた豊原市に創建することを決めた。1910年,新しい神社は官幣大社に列せられることとなり,翌年勅使が祭神の霊代を奉じて豊原に赴き,鎮座祭が行われた。社殿,境内は雄大で,鎮座祭の翌日8月23日を例祭の日としたが,その日は樺太庁始政記念日に当たっていた。
執筆者:大隅 和雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報