江戸時代に普及した神道の一派。垂加(すいか)神道の大家玉木葦齋(いさい)(正英。?―1736)が、橘以貞(たちばなのこれただ)から学び、整理、大成したもので、「橘家○○伝」と称する多くの秘伝がある。その源は、日の神以来相伝の道が敏達(びだつ)天皇から皇子難波(なにわ)親王に授けられたとされ、親王の玄孫橘諸兄(もろえ)(?―757)以後は橘家に伝承されたと称する。その内容は、神体勧請(かんじょう)、清祓(きよはらえ)、地鎮祭などの祭式や、鳴弦(めいげん)や蟇目(ひきめ)のような行法に関するものが主である。葦齋は、垂加派の神学にそれら橘家の祭式、行法を加えて、新しい展開を企図し、その後の神道界に大きな影響を残した。しかし垂加神道の純粋を尊ぶ人々からは、当初より厳しい批判があった。
[谷 省吾]
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