橘家神道(読み)きっけしんとう

関連語 名詞

日本大百科全書(ニッポニカ) 「橘家神道」の意味・わかりやすい解説

橘家神道
きっけしんとう

江戸時代に普及した神道一派垂加(すいか)神道の大家玉木葦齋(いさい)(正英。?―1736)が、橘以貞(たちばなのこれただ)から学び、整理、大成したもので、「橘家○○伝」と称する多くの秘伝がある。その源は、日の神以来相伝の道が敏達(びだつ)天皇から皇子難波(なにわ)親王に授けられたとされ、親王の玄孫橘諸兄(もろえ)(?―757)以後は橘家に伝承されたと称する。その内容は、神体勧請(かんじょう)、清祓(きよはらえ)、地鎮祭などの祭式や、鳴弦(めいげん)や蟇目(ひきめ)のような行法に関するものが主である。葦齋は、垂加派の神学にそれら橘家の祭式、行法を加えて、新しい展開を企図し、その後の神道界に大きな影響を残した。しかし垂加神道純粋を尊ぶ人々からは、当初より厳しい批判があった。

[谷 省吾

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「橘家神道」の意味・わかりやすい解説

橘家神道
きっけしんとう

京都梅宮の神官橘氏に伝わる神道。橘神道ともいう。橘以貞の弟子玉木正英により組織された。禊祓,鳴弦,祭式などの行事を主とし,学説面は垂加神道に近い跡部良顕岡田正利らにより継承された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む