武藤鉄城(読み)ムトウ テツジョウ

20世紀日本人名事典 「武藤鉄城」の解説

武藤 鉄城
ムトウ テツジョウ

昭和期の考古学者,民俗学



生年
明治29(1896)年4月20日

没年
昭和31(1956)年8月30日

出生地
秋田県河辺郡豊岩村(現・秋田市)

学歴〔年〕
慶応義塾大学理財科〔大正7年〕中退

主な受賞名〔年〕
秋田県文化功労章,秋田県体育功労章

経歴
農家の三男として生まれる。大正11年帰郷して羽後銀行に勤務。14年秋田市内で運動具店を開いたが失敗。15年角館に移り、代用教員新聞記者などを務めた。傍ら、環状列石遺跡や魚形線刻石から鳥虫草木の民俗まで、幅広く秋田県内の考古学・民俗学的調査を行った。戦後、秋田県文化財専門委員。スキーラグビーの普及にも力を注いだ。著書に「羽後角館地方に於ける鳥虫草木の民俗学的資料」「秋田キリシタン史」「秋田マタギ聞書」などの他、「武藤鉄城著作集」(全8巻 秋田文化出版社)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「武藤鉄城」の意味・わかりやすい解説

武藤鉄城
むとうてつじょう
(1896―1956)

考古・民俗学者。秋田市豊岩(とよいわ)に生まれる。慶応義塾大学中退。銀行員、運動具店経営、東北大学奥羽史料調査所嘱託、小・中学校教師、新聞記者など多彩な職業のかたわら、環状列石遺跡、魚形線刻石や、鳥虫草木の民俗など広く秋田県内の考古学・民俗学の研究に専念した。秋田県文化財専門委員として文化財保護行政に尽力し、県の文化功労章を受章した。スキー、ラグビーの普及指導者としても知られ、秋田県スポーツ功労賞も受けた。

[木崎和廣]

『『武藤鉄城著作集』1巻(1984・秋田文化出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「武藤鉄城」の解説

武藤鉄城 むとう-てつじょう

1896-1956 昭和時代の考古学者,民俗学者。
明治29年4月20日生まれ。角館時報社長,秋田県文化財専門委員。魚形文刻石,環状列石遺跡の調査,県内民俗の研究をおこなった。スキー,ラグビーの普及指導者としても活躍。昭和31年8月30日死去。60歳。秋田県出身。慶大中退。著作に「秋田郡邑魚譚」「自然と伝承」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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