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民衆芸術論 みんしゅうげいじゅつろん

世界大百科事典 第2版の解説

みんしゅうげいじゅつろん【民衆芸術論】

大正期文壇において1916年(大正5)から数年にわたって交わされた〈民衆と芸術〉のテーマをめぐる論議。大正デモクラシーの思潮の中から,芸術の民衆化,あるいは民衆の芸術参加という課題が浮かび,〈民衆芸術とは一般平民のための芸術〉と規定した本間久雄の論文〈民衆芸術の意義及び価値〉(1916)が論議の発端になった。安成貞雄加藤一夫,大杉栄,平林初之輔生田長江などが発言したが,本間が民衆を教化する芸術を論じたのに対し,急進的な大杉は〈民衆によって民衆の為に造られ而して民衆の所有する芸術〉と規定して,労働階級の政治的自立と芸術的自立の同時達成を主張し,両者の論旨が有効にかみあうまでにいたらず,論議は労働文学や民衆詩などと一つになって,大正末年のプロレタリア文学をめぐる大渦の中に吸収されていった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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