水田土壌の分類(読み)すいでんどじょうのぶんるい

最新 地学事典 「水田土壌の分類」の解説

すいでんどじょうのぶんるい
水田土壌の分類

classification of paddy soil

水稲栽培下の土壌の分類。その分類学的位置づけに,以下のような四つの考えがある。1)水田土壌の独自性を特に考慮しない体系。鴨下寛(1937)は地下水土壌型類に位置づけ,泥炭土・黒泥土・低湿地土・灰色低地土・褐色低地土の5土壌型に分類。農水省の特徴土層に基づく分類(小山正忠,1962;松坂泰明,1969)はこれを継承した。2)水稲栽培下の土壌すべてに独自性を認める体系。内山修男(1949)は,灌漑水による物質の還元・溶脱による下層土の色の差に基づいて褐色酸化型・灰褐色中間型・灰色溶脱型・青色還元型の4基本型に分類。菅野一郎(1957)は灌漑水と地下水の影響の強弱による層位配列の差により無機質水田土壌をⅠ~Ⅴ亜型に分類,成帯内性土壌の人為的水成土壌綱に属する土壌型とした。松井健(1978)は人工土壌門水田土壌綱に位置づけ,陸成土壌起原目の表面水グライ様・停滞水グライ様,半陸成土壌起原目の地下水グライ様・停滞水グライ様・表面水グライ様,水成土壌起源目のグライ土-水田土壌・泥炭土-水田土壌・黒泥土-水田土壌・湿草地土-水田土壌・干拓土-水田土壌の10土壌型に分類。3)先行土壌の特徴を主とし,水田土壌生成作用を従とする体系。開田前の先行土壌の人為水成亜群(R.Dudal, 1965)あるいは水成耕作亜群(Otowa, 1972)とし,土壌群(土壌型)より下位のカテゴリーに位置づける方式。4)水田土壌生成作用が顕著に認められるもののみ「水田土壌」として区別する体系。山崎欣多(1960)は酸化還元電位の差により,灌漑水型水田土壌と地下水型水田土壌を区別,前者に水田土壌としての独自性を認めた。またKyuma et al.(1966)は,水田土壌を灌漑水による明瞭な集積B層をもつものに限定,Aquorizemを提案。内山修男(1949)の見解を継承発展させた三土正則(1974)は,低地水田土壌を地下水系列と透水性系列の相補的な関係としてとらえて分類を提案。この考え方はペドロジスト懇談会の日本の統一的土壌分類案(1986)や農耕地土壌の分類第三次改訂版(1995)にも取り入れられた。

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参照項目:水田土壌化作用

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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