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図書分類法 としょぶんるいほうlibrary classification

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

図書分類法
としょぶんるいほう
library classification

利用者が図書資料を見つけやすいように図書館で用いられる書籍の分類方式。分類記号と著者名から構成する請求番号を割り当てることにより,その書籍の図書館内の配置が決まり,また理念的には知識の体系化が可能になる。類似するものを一定の法則に従って配列することで,さまざまな資料をまとめ,管理することができる。図書分類法は以下の種類に分けられる。(1) 基本的分類 主題による分類など。(2) 偶有的分類 年代順,地理的な分類など。(3) 人為的分類 五十音アルファベット)順,言語,判型,番号順による分類など。また細分化の程度も分類方式の特徴になる。これまでに開発された図書分類法は,知識体系を一定の原則によって分け,さらに細分化し整理してつくられている。デューイ十進法 DDC(→デューイ十進分類法)のほか,アメリカ議会図書館分類法 LCC(→アメリカ議会図書館),ブリス書誌分類法 BC,コロン分類法 CCなどがよく使われている。

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百科事典マイペディアの解説

図書分類法【としょぶんるいほう】

同じ主題あるいは同じ形式の図書を,主題あるいは形式ごとにグループにまとめて集めること。能率よく図書を利用するために一定の体系に基づく分類表に従って分類する。十進分類法国際十進分類法日本十進分類法など。

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世界大百科事典 第2版の解説

としょぶんるいほう【図書分類法 classification of book】

およそ人知は,道具の使用と並んでものに命名し,対象を分類することによって飛躍的に増大してきたが,時空を超えたコミュニケーション手段としての文字の発明(第1次情報革命),書字記録としての図書の生産は,やがてその図書そのものの分類をせまることになった。個人蔵書でも4000~5000冊に達すると,書架に図書を並べる並べ方にくふうをしないともはや見当だけでは速やかに望む書物が探し出せない。物理的には書物のサイズごとに配架することもできるし,また購入順に空間を埋めてゆく方法も考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

図書分類法
としょぶんるいほう

図書館での図書の効率的利用を図るための分類法。古来図書館は、蔵書の系統だった組織化のためにそれぞれ独自な分類体系を考案していた。アレクサンドリアの図書館でカリマコスがつくった『ピナケス』(前2世紀)は当時のギリシア語文献を12部門に分けていたという。19世紀までの図書館の分類は各館のコレクションに当てはめた大区分を主とするものが多かった。学問分類と異なり、図書館の資料分類は書架上の本をまとめる目的が大きかったからである。[藤野幸雄]

歴史

19世紀後半、公共図書館の出現とともに、すべての分野を網羅した簡便な共通分類法が求められるようになった。メルビル・デューイMelvil Dewey(1851―1931)の『十進(じっしん)分類法』Decimal Classification(DC。初版1876)は、数字を使って全領域を9区分し(別に0を総記として百科事典・年鑑等にあてた)、さらに各区分の下も10区分していく方法をとった。この分類法は覚えやすく使いやすいため、アメリカの公共図書館の採用するところとなり、ヨーロッパをはじめ世界各国がこの方式にのっとり、自国の十進分類法を考えるようになった。同時に、出版物の基となる学問体系、知識の分類を理論的に組み立てようとの試みもあった。1940年から53年にかけて出版されたヘンリー・ブリスHenry Bliss(1870―1955)の『書誌分類』Bibliographie Classificationはその一例である。
 蔵書量10万冊を超す学術図書館では、数字ばかりを細かく区分していく方法はかならずしも使いやすくはなく、基本区分の多いほうがよいとの立場から、アメリカ議会図書館がアルファベット2文字と数字を組み合わせた大図書館用の『アメリカ議会図書館分類法』Library of Congress Classification(LCC。1920年代末に32分冊完成)を完成させると、大学図書館などは、これに移行するところが増えた。
 20世紀に入ると、本を棚に配架するための分類(書架分類)とは別に、論文等の主題を理論的に分類する方法(書誌分類)を考案する必要が生じてきた。『国際十進分類法』Universal Decimal Classification(UDC。初版1905、日本語版は簡略版1955から)はデューイの十進分類法を基にし、複合主題を記号で組み合わせる方法で細部までの分類を可能にしている。インドの図書館学者ランガナタンS. R. Ranganathan(1892―1972)の『コロン分類法』Colon Classification(CC。初版1933)は主題の構成単位要表(ファセットfacet)をつなぐ分析・合成の手法であった。科学技術資料を扱う情報センターでは『国際十進分類法』を使ったり、『コロン分類法』の方法を取り入れた各領域の「ファセット分類法」Facet Classificationを組み立てて使ったりしているところがある。[藤野幸雄]

日本

日本でも、明治期設立の図書館はそれぞれ独自の分類法をつくっていたが、デューイに基づいて、日本の歴史、地理、宗教、言語などを考慮した『日本十進分類法』Nippon Decimal Classification(NDC。初版1929、新訂9版1995)がしだいに定着し、現在では全国の公共図書館と大学図書館に採用されている。国立国会図書館では、和書の分類に『日本十進分類法』を使用した時期はあったが、1960年代から独自の『国立国会図書館分類表』National Diet Library Classification(NDLC。初版1963~68、改訂版1987)の作成にとりかかった。『日本十進分類法』は本表と補助表、相関索引からなっている。分類本表は、総記、哲学(宗教を含む)、歴史(地理を含む)、社会科学、自然科学、技術・工学、産業、芸術、言語、文学の10類をさらに十進法で区分する。数字3桁(けた)で項目まで分け、小数点の下3桁までの分類が示されている(例829.88=サンスクリット語〈82は中国語・東洋諸言語〉、338.156=手形、小切手〈330は経済〉)。
 補助表(助記表)は共通に使える細目区分の表で、形式区分(例‐05新聞雑誌)、地理区分(例‐11北海道)、言語区分、文学形式区分(例‐3小説)があって広く適用できる。
 相関索引はことばから分類番号をつきとめる索引であるが、あらゆる観点と関連性が列記してある(例、むぎ[植物学]479.34、むぎ[農業経済]611.34)。数字だけの列挙であるから最大6桁までの下位区分が望ましい。同一分類のなかの各図書の区別は一般に著者の記号によって行っていく。[藤野幸雄]
『もり・きよし編『NDCのつかい方』(1966・日本図書館協会) ▽後藤純郎編『分類と目録』(1974・日本図書館協会) ▽『国際十進分類法 日本語中間版』第3版(1994・情報科学技術協会) ▽千賀正之著『図書分類の実務とその基礎――データ作成と主題検索へのアプローチ NDC新訂9版対応』改訂版(1997・日本図書館協会) ▽巌礼吉編著『日本十進分類法新訂8版―9版本表対照表』(1998・日本図書館協会) ▽今まど子・西田俊子著『資料分類法及び演習』第2版(1999・樹村房)』

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