水田郷・水田庄(読み)みずたごう・みずたのしよう

日本歴史地名大系 「水田郷・水田庄」の解説

水田郷・水田庄
みずたごう・みずたのしよう

和名抄英賀あが郡水田郷の郷名を継いだものか。吉備高原の備中川と中津井なかつい川との合流地域、上水田付近一帯に比定される。山科家領で、「教言卿記」応永一五年(一四〇八)七月四日条に「英賀庄水田郷」とみえ、英賀庄内であった。弘安九年(一二八六)亀山院の裁許により英賀庄水田郷は資行に、同呰部郷は教頼に分割相続されたが、以後も両流の間で相論が繰返され、資行の孫山科教言の代に至って家領全体が教言のもとに集中されたという。「教言卿記」応永一五年一月四日条によれば、当郷は呰部郷とともに教言より聖久に寄進され、喝食御料所となっていたと考えられる。奉行(庄主)は京都相国しようこく寺の塔頭常徳じようとく院の昌盛年貢収納代官は相国寺末の山城伏見退蔵ふしみたいぞう庵主本逾が務めた(→呰部郷・呰部庄

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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