水素化カルシウム(読み)スイソカカルシウム

化学辞典 第2版 「水素化カルシウム」の解説

水素化カルシウム
スイソカカルシウム
calcium hydride

CaH2(42.09).300~400 ℃ でカルシウム水素を反応させるか,または酸化カルシウムをMg共存で H2 で還元すると得られる.斜方晶系イオン結晶または粉末.塩化鉛(Ⅱ)型構造で,Caを9個のH原子が囲んでいる.Ca-H2.32~2.85 Å.密度1.9 g cm-3.600 ℃ でCaと H2 に分解する.融点816 ℃(水素気流中).水や低級アルコール類で H2 を発生してCa(OH)2になる.希土類,Ti,Zrなどの酸化物を還元して金属を遊離させる.有機化学反応で,縮合,脱水,水素添加などに利用される.また,野外での水素発生用にも使用される.[CAS 7789-78-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水素化カルシウム」の意味・わかりやすい解説

水素化カルシウム
すいそかカルシウム
calcium hydride

化学式 CaH2 。 300~400℃でカルシウムと水素を直接反応させて得られる。無色結晶。比重 1.7,融点は水素気流中で 816℃。水,低級アルコール,カルボン酸によって分解し,水素を発生する。強い還元作用があり,希元素酸化物からの希元素金属製造液体気体乾燥,水素の製造,有機合成での縮合剤などに使用される。

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