永明寺跡(読み)えいめいじあと

日本歴史地名大系 「永明寺跡」の解説

永明寺跡
えいめいじあと

[現在地名]茅野市ちの 上原

金比羅こんぴら(上原城跡)の南麓、千鹿頭ちかとう墓地の東側台地に位置し、上原うえはら村を一望できる所にある。曹洞宗で、開基は慈山永訓禅師、開山諏訪惣領家の碧雲斎諏訪頼満、建立は永正年間(一五〇四―二一)といわれ、諏訪氏の菩提寺であった。「諏訪郡諸村旧蹟年代記」に「千鹿頭東之沢向富山永明寺三河国ニ本寺有云」とある。

慈山永訓禅師(真珠院の末寺法蔵寺の寺籍明細帳に「大永三癸未七月十六日寂」とある)は本寺真珠院(現静岡県清水市)の第二世で、頼満の法名は「永明寺殿西周宗昌大居士」である。天文一一年(一五四二)諏訪氏滅亡後は武田氏の統治下に四〇年、武田氏滅亡後は日根野氏の統治下におよそ一〇年置かれたが、慶長六年(一六〇一)諏訪頼忠・頼水父子が上州から諏訪の旧領に復帰し、頼忠によって再興され、頼忠は同一〇年同寺に葬られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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