事典 日本の地域ブランド・名産品 「江戸つまみかんざし」の解説
江戸つまみかんざし[装飾・装身]
えどつまみかんざし
市川市で製作されている。小さく刻まれた色鮮やかな布をつまんでつくる。花かんざしの技法の一つ。江戸時代初期に、上方から江戸に伝わったといわれ、江戸時代後期の文化・文政年間(1804年〜1830年)に最盛期を迎えた。明治時代以降も盛衰を経て今日まで受け継がれている。女性の髪飾りとして晴れ着姿を一層ひきたたせる。素材には、布に厚みがあり扱いにくいちりめんを用い、作品にやわらかさを出している。千葉県伝統的工芸品。
江戸つまみ簪[装飾・装身]
えどつまみかんざし
台東区・荒川区・墨田区などで製作されている。江戸時代の初期に、江戸城の大奥で古くなった着物を再利用して、遊び感覚で簪にしたのが始まりという。その後、桃割れや島田髷、花かんざしに愛用され、当時の江戸みやげとしても人気があった。江戸時代中期になると、櫛・簪・楠玉などがつくられていた。基本的には、角と丸につまんでいく。製法は以来ほとんど変わらず、今日までその伝統が引き継がれている。東京都伝統工芸品。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報