江戸町人(読み)えどちょうにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江戸町人」の意味・わかりやすい解説

江戸町人
えどちょうにん

江戸時代,幕府の所在地,すなわち「将軍家のお膝元」にあたる江戸に住んだ庶民。特に地主,家持層の住民をさし,地借,店借層と区別する場合もある。幕府設置とともに日本橋を中心とする古町 (こちょう) 300町余ができ,江戸時代後期までに新町を加えて 2770町余に増大し,町人人口は 58万に達した。町政江戸町奉行の統制下で,樽屋奈良屋喜多村の三町年寄家 (→江戸町年寄 ) によって 250家ほどの名主を通じて行われ,狭義町人が町入用を負担し,町政に発言権をもち,大消費地としての江戸の商業を維持した。江戸町人は,上方町人 (→上方文化 ) より遅れて,文化文政期 (1804~30) に独自の町人文化を育てた。 (→化政文化 )  

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