町奉行(まちぶぎょう)のもとで江戸の町を支配した役人。初めは江戸宿の年寄とよばれたが、のち幕府成立前後から町年寄と称した。奈良屋(館(たち)氏)、樽屋(たるや)(樽氏)、喜多村(きたむら)の3家が代々世襲し、本町(日本橋)の角屋敷を拝領し、その役宅で事務に従事した。このほか市中数か所に拝領地があり、その地代を収入源とした。江戸の町人の筆頭として、正月には江戸城で将軍に拝謁することができた。町年寄の職務は、(1)名主への触(ふれ)の伝達、新地の地割や請渡し、人別の集計など町政一般にかかわる業務、(2)商人仲間の名簿を保管し、物価統制を行うなど、商工業者の掌握にかかわる業務、(3)幕府(町奉行)の諮問を受け、各種の調査・答申をなし、町人の紛争の調停、請願の調査などを行う業務に大別できる。このほか初期には玉川・神田上水などの水道管理を行っていた時期もあった。1868年(明治1)新政府の鎮台府付となったが、翌年正月免職させられた。
[吉原健一郎]
『吉原健一郎著『江戸の町役人』(1980・吉川弘文館)』
近世都市江戸の惣町を統轄する町役人。喜多村・奈良屋・樽屋の3家が世襲した。職務は町奉行所からの町触の伝達,区画整理や武家地・寺社地・町人地・代官支配地の間の地面受渡しの際の立会いと諸手続きの指揮,宗門改・人別改,仲間組織の結成を促進したり仲間の構成員変更の届出など商人・職人の統制,町方政策の事前調査,民事紛争の調停事務という多様なものであった。そのほか,江戸周辺の関口村(現,文京区)以下3カ村の代官も兼帯し,水道の管理を行った。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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