江戸町鑑(読み)えどまちかがみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「江戸町鑑」の意味・わかりやすい解説

江戸町鑑
えどまちかがみ

江戸の町支配のようすなどを紹介した便利帳。木版の小型本である。武鑑に類似した面もあり、幕府評定所(ひょうじょうしょ)の定日、南北町奉行(まちぶぎょう)・与力(よりき)・同心氏名町年寄(まちどしより)月番、名主の番組・氏名・居住地・支配町名が列挙されている。1729年(享保14)刊行の『万世江戸町鑑』が現存するのを初めとして幕末期までにさまざまなものが編集刊行された。町火消の組や纏(まとい)の種類、坂や橋などを入れたものもある。また『町づくし』のように町名を独立させた実用版もあった。

[吉原健一郎]

『『万世江戸町鑑』(『幸田成友著作集2』1972・中央公論社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江戸町鑑」の意味・わかりやすい解説

江戸町鑑
えどまちかがみ

『万世江戸町鑑』『泰平御江戸町鑑』ともいう。2冊ないし1冊で,編者は不明。江戸市中の町名,橋名,町名主などは記されているが,江戸町奉行,与力,同心の氏名がないものもある。江戸の市制を知るのに重要な史料である。享保年間 (1716~36) より,幕末,明治頃までの町鑑がある。

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