池上遺跡(読み)いけがみいせき

日本歴史地名大系 「池上遺跡」の解説

池上遺跡
いけがみいせき

[現在地名]熊谷市池上・上之

荒川沖積扇状地に形成された自然堤防上に位置し、標高は二〇―二二メートル。昭和五三年(一九七八)の発掘調査で弥生時代中期の須和田式土器出土する竪穴住居跡を確認。同五六年の調査では竪穴住居跡のほか、環濠と考えられる大溝や多数の土壙などが検出された。隣接する池上西いけがみにし遺跡で確認された須和田期の竪穴住居跡も池上遺跡の一部で、行田市小敷田こしきだ遺跡で調査された三基の方形周溝墓も池上遺跡の墓域と考えられる。竪穴住居跡は計一七軒、うち一軒は一〇・六×七・二メートル、床面積七二平方メートルの大型住居である。焼失した住居跡からは炭化した米が多量に出土し、池上遺跡が稲作に生活基盤をおく集落であったことを裏付けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の池上遺跡の言及

【弥生文化】より

…瀬戸内海沿岸地方を中心として,本格的な製塩が始まったことも特筆すべきである。
[弥生時代のムラ]
 弥生時代の大規模な集落は,100~200m×70~100mていどの規模が普通で,特例としては400m×300m(大阪府池上遺跡)のものもある。ムラの周囲には濠をめぐらしており,環濠集落の名にふさわしい。…

※「池上遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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