日本歴史地名大系 「池田家履歴略記」の解説
池田家履歴略記
いけだけりれきりやつき
二六巻 斎藤一興著
写本 池田家文庫ほか
解説 池田家文庫には明治期に池田家記録方で諸本を収集し、正本として作成したとみられる清書本がある。二六巻二六冊・序一巻からなり、序巻には寛政一一年の武元恒(君立)の叙、凡例、池田家履歴年表、池田家系を載せる。岡山藩主池田家の唯一の通史で、歴代の重要事項を編年体で記述。天文五年信輝の誕生から寛政六年七代治政の致仕まで。藩主の事績を中心に一族の事件や家臣の賞罰、藩政上の重要事件などが取上げられている。年表は著者の手になるもので、検索の便を図り、掲載記事の見出しが君公・夫人・諸子、公事、国事、雑事の四項目に分類されている。著者の一興は番頭上坂多仲の三男、斎藤家の養子となり養父名代として安永六年から御城御番を勤め、寛政九年家督四〇〇石を相続、同一一年普請奉行に就任、大目付などを歴任、文政元年六七歳で没。若くして京に遊学し江村北海・六如に学んだという学者文人で、本書は一興の部屋住時代の業績ということになる。続編はすべて池田家文庫に原本を所蔵。「続池田家履歴略記」は藩士丸山昭徳輯録、五巻五冊、天保五年自序、内容は寛政七年―文政一二年。「池田家履歴略記続集前編」は藩士石黒貞度輯録、八巻八冊、寛政九年―文政一二年の間で、いずれも八代斉政の代を記述。「池田家履歴略記続集後編」は藩士牧野成憲輯補、四巻四冊、文政一二年―嘉永五年の九代斉敏・一〇代慶政の代を記述。「池田家履歴略記後集」二巻二冊(巻二は草稿)は藩士成田元美編、一一代茂政の文久三年と元治元年(巻二)を記述。「池田家履歴略記補」(藩士大平忠愛編)は寛政七年―天保一〇年の重要事件の追録。「池田家履歴続集年表前編・後編・後集」一冊。
活字本 昭和三八年刊、底本は岡山市立図書館蔵八丹幸八筆写本。
池田家履歴略記
いけだけりれきりやつき
二六巻 斎藤一興著
写本 岡山大学附属図書館池田家文庫ほか
解説 池田家文庫には明治期に池田家記録方で諸本を収集し、正本として作成したとみられる清書本がある。二六巻二六冊・序一巻からなり、序巻には寛政一一年の武元恒(君立)の叙、凡例、池田家履歴年表、池田家系を載せる。岡山藩主池田家の唯一の通史で、天文五年信輝の誕生から寛政六年七代治政の致仕まで、歴代の重要事項を編年体で記述。著者の一興は岡山藩士で、年表は著者の作。
活字本 昭和三八年刊、底本は岡山市立図書館蔵八丹幸八筆写本。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報