汲取・酌取(読み)くみとる

精選版 日本国語大辞典 「汲取・酌取」の意味・読み・例文・類語

くみ‐と・る【汲取・酌取】

〘他ラ五(四)〙
① 水などを汲み上げて、他の器に移し入れる。
書紀(720)神代下(寛文版訓)「時に豊玉姫侍者(まかだち)有りて、玉鋺(たままり)を持て当に井(ゐ)の水を汲まむとするに人影(ひとかけ)水底(みなそこ)に在るを見て、酌取(クミトル)こと得(へ)ず」
表面に表われないものを推察する。理解する。思いやる。
甲陽軍鑑(17C初)品五三「くどく物を御尋あり、其人の心をくみとりなさるる事、常の儀なり」

くみ‐とり【汲取・酌取】

〘名〙
① 汲んで取ること。特に、汲取便所糞尿(ふんにょう)を汲んで取り出すこと。
大阪朝日新聞‐明治三三年(1900)一月一二日「奈良市糞尿汲取代価に就て、予て同市と五十余箇町村農民との間に衝突を生じ」
② 人の心中を推察すること。また、意味を理解すること。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉四「只此書取のみにては父子微衷(びちう)は竭(つく)し難く万一御汲取(クミト)りにより行違ひなど生ずる時は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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