沢海藩(読み)そうみはん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「沢海藩」の意味・わかりやすい解説

沢海藩
そうみはん

越後(えちご)国蒲原(かんばら)郡沢海(新潟県新潟市北区および江南区横越(よこごし)地区)周辺を領有した藩。外様(とざま)。新発田(しばた)藩の支藩会津や新潟との通船に便な阿賀野(あがの)川に接した沢海に陣屋を置いた。藩祖溝口善勝(みぞぐちよしかつ)。1610年(慶長15)に溝口秀勝遺領のうち、蒲原郡内1万石、同新田打出し分2000石、幕府宛行(あてがい)地(上野(こうずけ)国)2000石、計1万4000石で立藩した。2代政勝は1634年(寛永11)弟助勝に3000石、同安勝に1000石を分知し、自らは1万石を相続した。4代政親のとき酒乱の理由で1687年(貞享4)廃藩となった。その後幕領、ついで1707年(宝永4)から旗本小浜行隆の知行(ちぎょう)となった。沢海藩の支配制度は本藩に倣ったが、1684年総検地を行い、土地制度を改め、1反を360歩から300歩にした。

[中村義隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沢海藩」の意味・わかりやすい解説

沢海藩
そうみはん

江戸時代前期,越後国蒲原郡沢海 (現在の新潟県新潟市) を領有した藩。慶長 15 (1610) 年新発田藩初代藩主,溝口秀勝の二男善勝が沢海に居城を定め,1万 4000石,のち1万石を領する。貞享4 (1687) 年の除封後は旗本小浜氏の知行所となる。

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