…【海老根 宏】
[日本における小説の成立]
〈小説〉という言葉は,《漢書》芸文志(げいもんし)に〈小説家流は,蓋し稗官より出づ〉とあるのが,もっともはやい用例の一つだが,日本で文学ジャンルとしての〈小説〉が,識者の注目を集めるようになったのは,中国語研究の教材として輸入された白話小説が,愛読されはじめた18世紀初頭のことであった。いわゆる三言二拍から抄訳した岡白駒の《小説精言》(1743),《小説奇言》(1753),沢田一斎の《小説粋言》(1758)の刊行は,〈小説〉という言葉を読書人のあいだに定着させた。近世後期に登場した読本(よみほん)のジャンルは,都賀(つが)庭鐘の《英草紙(はなぶさぞうし)》(1749)にはじまり,建部(たけべ)綾足,上田秋成,山東京伝,曲亭馬琴らの作家を輩出するが,彼らが翻案の材源,ないしは創作の規範として求めたのは,明・清の白話小説であった。…
…江戸中期の儒者岡白駒(はつく)とその門人沢田一斎が,中国の白話短編小説に訓点・傍訓を施して刊行した三つの書物。白駒による《小説精言》(4巻4冊。…
※「沢田一斎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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