沢田一斎(読み)さわだ いっさい

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「沢田一斎」の解説

沢田一斎 さわだ-いっさい

1701-1782 江戸時代中期の儒者,出版者。
元禄14年2月19日生まれ。京都の書店風月堂の主人若林強斎にまなび,岡白駒らとまじわり,中国語学にすぐれた。中国白話小説の訓訳を手がけ,日本の古典などの写本をのこしたほか,おおくの学術書を出版した。天明2年2月24日死去。82歳。名は重淵,文拱。通称風月庄左衛門別号に奚疑斎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の沢田一斎の言及

【小説】より

…【海老根 宏】
[日本における小説の成立]
 〈小説〉という言葉は,《漢書》芸文志(げいもんし)に〈小説家流は,蓋し稗官より出づ〉とあるのが,もっともはやい用例の一つだが,日本で文学ジャンルとしての〈小説〉が,識者の注目を集めるようになったのは,中国語研究の教材として輸入された白話小説が,愛読されはじめた18世紀初頭のことであった。いわゆる三言二拍から抄訳した岡白駒の《小説精言》(1743),《小説奇言》(1753),沢田一斎の《小説粋言》(1758)の刊行は,〈小説〉という言葉を読書人のあいだに定着させた。近世後期に登場した読本(よみほん)のジャンルは,都賀(つが)庭鐘の《英草紙(はなぶさぞうし)》(1749)にはじまり,建部(たけべ)綾足,上田秋成,山東京伝,曲亭馬琴らの作家を輩出するが,彼らが翻案の材源,ないしは創作の規範として求めたのは,明・清の白話小説であった。…

【和刻三言】より

…江戸中期の儒者岡白駒(はつく)とその門人沢田一斎が,中国の白話短編小説に訓点・傍訓を施して刊行した三つの書物。白駒による《小説精言》(4巻4冊。…

※「沢田一斎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android