河堀口(読み)こぼれぐち

日本歴史地名大系 「河堀口」の解説

河堀口
こぼれぐち

[現在地名]天王寺区北河堀町・南河堀町・大道二―五丁目など

四天王寺の南東部、河堀稲生こぼれいなり神社を中心とした地の通称。「摂津名所図会大成」に河堀社の「東の出を河堀口こほりぐちといふ、今ハすべて此辺を河堀口とよべり」とあり、また「河堀かわほりといふべきを後世古保礼こぼれと訛れるなり」と記す。宝暦二年(一七五二)の天王寺管内地図には社の東側に「コボリ口」の名がみえる。現在北河堀・南河堀の町名があるが、読み方は「かわほり」で統一。

「続日本紀」延暦七年(七八八)三月一六日条に、摂津大夫和気清麻呂が河内・摂津両国境に川を掘り、堤を築き、「荒陵」の南より、「河内川」を導いて西方の海へ通ぜしめ、沃野開墾を図らんとする旨を上奏、清麻呂が工事責任者となり二三万余人が工事に従ったという記事がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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