河海は細流を択ばず(読み)カカイハサイリュウヲエラバズ

デジタル大辞泉 「河海は細流を択ばず」の意味・読み・例文・類語

河海かかい細流さいりゅうえらばず

《「史記李斯りし伝から》大人物度量が広く、よく人をいれることのたとえ。河海細流いとわず。

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精選版 日本国語大辞典 「河海は細流を択ばず」の意味・読み・例文・類語

かかい【河海】 は 細流(さいりゅう)を=択(えら)ばず[=厭(いと)わず]

  1. ( 黄河や海がどんな支流小川の水をも差別なく受け入れるの意から ) 大人物は度量が広くてよく人を容(い)れることにいう。〔文明本節用集(室町中)〕〔史記‐李斯伝〕

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故事成語を知る辞典 「河海は細流を択ばず」の解説

河海は細流を択ばず

大人物は度量が広くて、どんな相手でも受け入れることのたとえ。

[使用例] 一切平等、善人なり君子なりの人なりとして、これを容るること河海の細流をいとわざるが如くにして之を親しみ[福沢諭吉*福翁百話|1897]

[由来] 「史記伝」に載せる文章の一節。紀元前三世紀、戦国時代の中国でのこと。しんという国で、外国人を追放する命令が出されました。このとき、外国出身の宰相、李斯は、この命令に反対する意見書を王に差し出します。「河海は細流を択ばず、故にの深きをす(黄河や海はどんな小さな川の水も差別なく受け入れるから、あれだけの深さになるのです)」は、その一節。他国に勝つためにはあらゆる人材を受け入れなくてはならない、という彼の主張通り、秦はやがて天下を統一することになります。

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