河野徳兵衛(読み)こうの・とくべえ

朝日日本歴史人物事典 「河野徳兵衛」の解説

河野徳兵衛

没年天保9.8.15(1838.10.3)
生年:宝暦13(1763)
江戸後期,甲斐国(山梨県)の豪農。八代郡夏目原村(御坂町)の長百姓で,諱は通如。農書農事弁略』(1787)を著した。同書は宮崎安貞の『農業全書』に学びながら,近世甲斐における地域の老農の知識,経験と自身の実証により,肥料の施用や土壌調合,作物の栽培などの方法について,地域的条件に適合した技術を正確に記したもの。自序に農事に対する精励を,のちの富栄と安楽の基としながらも,富んでなお刻苦に終始するのは自然の道に反すると「分限を知て相応のたのしみ可有事なり」と述べるが,後楽のひとつを丼々橋一作の俳号で知られたように俳諧に求めた。<参考文献>飯田文弥「『農事弁略』現代語解題」(『日本農業全書』23巻)

(飯田文弥)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河野徳兵衛」の解説

河野徳兵衛 こうの-とくべえ

1763-1838 江戸時代中期-後期の農学家。
宝暦13年生まれ。甲斐(かい)八代郡夏目原村(山梨県御坂町)の人。天明7年(1787)農書「農事弁略」をあらわす。宮崎安貞の「農業全書」や地域の老農らの知識をもとに,肥料の調合や作物の栽培方法などをしるした。天保(てんぽう)9年8月15日死去。76歳。名は通如(つうじょ)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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