20世紀日本人名事典 「沼田真」の解説
沼田 真
ヌマタ マコト
昭和・平成期の生態学者 日本自然保護協会会長;千葉大学名誉教授。
- 生年
- 大正6(1917)年11月27日
- 没年
- 平成13(2001)年12月30日
- 出生地
- 茨城県土浦市
- 出身地
- 茨城県常陸太田市
- 学歴〔年〕
- 東京文理科大学(現・筑波大学)生物学科〔昭和17年〕卒
- 学位〔年〕
- 理学博士(京都大学)〔昭和28年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 千葉県教育功労者〔昭和33年 54年〕,文化財功労者(文化庁)〔昭和45年〕,紫綬褒章〔昭和58年〕,秩父宮記念学術賞〔昭和59年〕「東部ネパールの生態学的研究」,日本学士院賞エジンバラ公賞(第1回)〔昭和63年〕「植物群落の構造と生態に関する研究とその応用」,勲二等瑞宝章〔昭和63年〕,グローバル500賞〔平成11年〕
- 経歴
- 昭和20年千葉師範助教授、22年東京高師講師、23年東京文理科大学(現・筑波大学)講師、26年千葉大学助教授、39年教授(東北大学教授併任 55年まで)。44〜49年、51〜55年理学部長、55〜58年図書館長。58年名誉教授となり、淑徳大学教授を務めた。草地生態学や都市生態学など、生態学研究の第一人者として活躍。傍ら、戦後早くから環境問題に取り組み、26年に設立された日本自然保護協会に参加。35年同協会の生態部会委員になり、日本学術会議で原生林保護のシンポジウムを開き、環境庁(現・環境省)が自然環境保全地域を作るきっかけをつくった。63年同協会会長に就任。尾瀬のオーバーユース規制のほか白神山地(秋田県 青森県)、屋久島の世界自然遺産登録を推進。日本初の植物レッドデータブック作成にも尽力した。平成11年国連環境計画から環境保護活動で功績のあった人に贈られるグローバル500賞を受賞した。ほかに自然環境保全審議会委員、国土審議会委員、日本環境教育学会会長、農林水産技術会議委員、千葉県立中央博物館名誉館長など歴任した。著書に「生態学方法論」「自然保護と生態学」「植物たちの生」「都市の生態学」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報