泉頭城跡(読み)いずみがしらじようあと

日本歴史地名大系 「泉頭城跡」の解説

泉頭城跡
いずみがしらじようあと

[現在地名]清水町伏見 泉頭

伏見ふしみの南東端、文字どおりいずみ(現柿田川)湧水の頭に位置した戦国大名北条氏の支城。「駿河記」は弘治年間(一五五五―五八)築城とし、また永禄一二年(一五六九)四月以降、城名がしばしば軍記物や後代の編纂史料に登場するが、天正七年(一五七九)の築城と考えられるので、それ以前の記述は容易に信じがたい。同年と推定される一〇月八日の武田勝頼書状写(「紀伊続風土記」編纂史料所収藩中古文書)に「氏政于今三嶋在陣、号泉頭地普請半候」とみえ、当城が築城中であった旨を伝えている。この直前、九月三日の北条氏政書状(渡辺忠胤氏所蔵文書)には、武田方の三枚橋さんまいばし(現沼津市)に対抗して「豆州之可致之候」とあり、築城の意思が述べられている。同年一〇月二日、大平おおひら(現沼津市)の星屋(星谷)氏に命じられた「新地塀」用材の進上も(「北条家朱印状写」判物証文写)、当城普請のためのものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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