波多井神社(読み)はたのみかいじんじや

日本歴史地名大系 「波多井神社」の解説

波多井神社
はたのみかいじんじや

[現在地名]高取町大字羽内小字アズキ谷

羽内ほうち集落南方の尾根中腹に鎮座。旧村社。祭神は明治期の「神社明細帳」に甕速日にぎはやび神と記すが、現在天照あまてらす大神を祀り、棟札および江戸期の羽内村文書にも「天照大神社」とみえる。「大和志」以後、「延喜式」神名帳高市たかいち郡の「波多井神社大、月次新嘗」にあてる。波多井神は神護景雲四年(七七〇)大和に神封一戸を与えられ(新抄格勅符抄)、天安三年(八五九)一月二七日に従五位下から従五位上に昇叙(三代実録)。「五郡神社記」には「波多井坐響雷普通本无此三字否神社一座、在波多郷稲淵山原山、愚僕到此処見之、石淵清水如酒、故云井也乎」とみえ、現奈良県明日香村の稲淵いなぶち山にあるとする。一般に「和名抄高市郡の波多郷については、現明日香村はた細川ほそかわ稲渕いなぶち一帯に考証され、また高市郡の式内社波多神社も同村冬野ふゆのに治定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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