波木井村（読み）はきいむら

日本歴史地名大系

波木井村
はきいむら

• 山梨県：南巨摩郡
• 身延町
• 波木井村

[現在地名]身延町波木井

南流する富士川西岸、支流波木井川が富士川に合流する北岸に位置し、身延山の東麓にあたる。西は身延町。波切・羽切とも表記されたという。当村北部を駿州往還（身延山裏参道）が通る。付近の台地上にはかつて日蓮を身延に招き、自らも出家したという波木井実長（南部実長）の城館（波木井城）があったと伝えられ、城山（しろやま）とよばれている。中世には波木井郷に含まれていた。慶長古高帳では高一九四石余。寛文一一年（一六七一）の検地帳（県立図書館蔵）が残るが、一部を欠くため村全体の数値は不明。文化（一八〇四―一八）初年の家数一二五・人数六〇七、馬三二（甲斐国志）。村内の富士川には河岸場があり、鰍沢（かじかざわ）（現鰍沢町）などから船で下る身延山参詣者は、この河岸場で下船して参拝したという（身延町誌）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」