2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。イスラエルの南部地区に位置する地下都市の考古学遺跡群。聖書にも登場する古都マレシャは、ユダヤの最も重要な都市の一つで、十字軍の時代に建設された。そしてその後に建設され、ローマ時代に繁栄したベイト・グヴリンもエルスエリオスポリス(自由都市)として知られ重要な都市の一つだ。これら2都市の地下では、低地の均質な軟土質の石灰岩の厚い地層から石灰岩が採掘され、そのためにできた洞窟群があり、そこに分散する3500の地下室が考古学的遺産として保存されている。これらは、メソポタミアとエジプトへ向かう交易路の交差点にあり、マレシャが建設された鉄器時代の紀元前8世紀から十字軍が侵攻した時代までの2000年以上の、文化の融合と変遷、文明の進化を物語る証言者である。地下の空間は、地下都市として、居住地や礼拝堂、貯水池、搾油機、ローマ・ビザンチン時代の円形演技場、公共浴場、家畜小屋、避難所などとして使われ、郊外では埋葬地に使われていた。また広めの部屋は、アーチ形天井と支柱を備えている。◇英名はCaves of Maresha and Bet-Guvrin in the Judean Lowlands as a Microcosm of the Land of the Caves