洪景来の乱(読み)こうけいらいのらん

大辞林 第三版の解説

こうけいらいのらん【洪景来の乱】

朝鮮王朝後期の反乱。没落官人洪景来(1779~1812)は、不平官僚と結び窮民を扇動して、1811年定州(平安北道)を中心に挙兵。半年後に鎮圧され、洪は戦死した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

洪景来の乱
こうけいらいのらん

朝鮮の李朝(りちょう)末期1812年に起きた農民反乱。平安道農民戦争ともいう。中心人物は洪景来(1780―1812)という没落両班(ヤンバン)の末裔(まつえい)である。平安道は清(しん)と国境を接する地であったので、清との貿易によって商品経済が発達し、富商や富農の台頭した反面、両班や農民の没落がみられ、また、中央政府と地方官による収奪も強かった。それとともに平安道は当時の朝鮮では地域的に差別されていて、この地の両班は中央では出世できなかった。これらに対する不満が爆発したのが洪景来の乱である。この反乱を指導した層は、没落しつつあった両班と、富商、富農たちで、主力となったのは没落農民であった。地方官の排除、さらには中央政府の打倒を目ざしたが、同年の定州の戦いにおいて鎮圧された。しかしこの反乱は19世紀後半に激化する民乱(農民反乱)の先駆となった。[原田 環]

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