流連（読み）リュウレン

デジタル大辞泉

りゅう‐れん〔リウ‐〕【流連／留連】

［名］(スル)遊興にふけって家に帰るのを忘れること。また、夢中になること。
「大二郎は待合千鳥ちどりに―して居たのである」〈木下尚江・良人の自白〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

りゅう‐れんリウ‥【流連・留連】

1. 〘 名詞 〙
2. ① ( 「孟子‐梁恵王下」の「流連荒亡、為_二諸侯憂_一、従_レ流下而忘_レ反、謂_二之流_一、従_レ流上而忘_レ反、謂_二之連_一、従_レ獣無_レ厭、謂_二之荒_一、楽_レ酒無_レ厭、謂_二之亡_一、先王無_二流連之楽、荒亡之行_一」による語。「流」も「連」も流れにまかせて舟遊びにふけること ) 遊びや楽しみにふけって家に帰るのを忘れること。遊興にふけって日を送ること。るれん。
   1. [初出の実例]「糸竹時盤桓、文酒乍留連」(出典：懐風藻（751）春日〈巨勢多益須〉)
   2. 「一種幣悪の俗を混成す。其士夫は漁猟に流連し、駕乗に盤遊するを楽み」(出典：輿地誌略（1826）三)
3. ② 一所に長く留まること。逗留。滞留。るれん。
   1. [初出の実例]「我々は暫く此世に逗留して居る、決して永久に留連すべきものでない」(出典：兎糞録（1913）〈和田垣謙三〉一二一)
   2. [その他の文献]〔傅亮‐為宋公修張良廟教〕
4. ③ 夢中になること。心を奪われること。
   1. [初出の実例]「或流_二連風景_一、陶_二写性霊_一」(出典：惺窩文集（1627頃）続・序)
   2. [その他の文献]〔王僧達‐祭顔光祿文〕
5. ④ しきりに涙を流すこと。〔漢書‐叙伝上〕
6. ⑤ 続けて流すこと。楽曲などを続けて演奏すること。
   1. [初出の実例]「たえぬこゑにて、曲を色々に流連して」(出典：曲附次第（1423頃）)

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【流連】りゆう（りう）れん

遊びほける。〔孟子、梁恵王下〕れに從ひて下り、反(かへ)るをる、之れをと曰ひ、れに從ひて上り、反るをる、之れをと曰ふ。

字通「流」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」