浄居寺(読み)じようこじ

日本歴史地名大系 「浄居寺」の解説

浄居寺
じようこじ

[現在地名]牧丘町窪平

笛吹川の右岸鍛冶屋かじや橋から約一〇〇メートルの位置にある。常牧山と号し、曹洞宗本尊は「甲斐国志」には正観音とあるが、華厳釈迦如来。かつて大泉だいせん(現甲府市)の末。当寺は鎌倉時代末期、嘉元三年(一三〇五)夢窓疎石によって創建された臨済宗寺院で(夢窓国師年譜)、当初は現在地より二〇〇メートル北方、現城古寺じようこじに建立された。清白せいはく(現山梨市)の二世清渓通徹が甲斐浄居寺に出世とされるのもこの地である(本朝高僧伝)。その後戦国期武田氏支配下の寺歴は未詳の部分が多いが、この頃同地は雁坂かりさか口の守衛に任じられた大村氏が深く関与し(永禄元年閏六月一〇日「武田晴信印判状」大泉寺文書)、同氏は当寺地に築かれた浄居寺城に拠ったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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