浄称寺(読み)じようしようじ

日本歴史地名大系 「浄称寺」の解説

浄称寺
じようしようじ

[現在地名]大塔村大字辻堂

辻堂つじどう集落の南部にある。大部山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。寺伝によると、聖徳太子が応日山上宮院を創建したが、保元(一一五六―五九)の頃兵火によって焼失したと伝える。蒲生近江守光範の子である浄善が奈良東大寺で法相宗を学んだ後、建保四年(一二一六)に当地にいたところ、仁治元年(一二四〇)熊野参詣に来た常陸国大部の平太郎に会い、親鸞高徳を聞いて上洛し浄土真宗に帰依したという。しかし当寺蔵の十高僧連座像では法然・親鸞・如信・覚如・乗専・善入・浄善・真浄・円智・浄光が描かれており、これによると浄善は系譜的には親鸞に直結しないようである。応仁二年(一四六八)本願寺蓮如が紀州高野山から吉野に入り当地に至ったことが御文から知られ、当地を「野長瀬」と称している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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