朝日日本歴史人物事典 「浜田洒堂」の解説
浜田洒堂
生年:生年不詳
江戸前期の俳人。別号は珍碩。近江国(滋賀県)膳所の人。元禄2(1689)年松尾芭蕉に入門し,翌年には『ひさご』を編集して頭角を現す。一時江戸深川の芭蕉庵に逗留して親しく芭蕉の教えを受け,「かるみ」を代表する選集のひとつである『深川』を刊行するなど,目覚ましい活躍をした。その後大坂に移り点者として門戸を構えたが,妥協を許さない性格が災いして同門間に軋轢を生じ,これが原因で芭蕉との関係も悪化した。一門の経営に失敗して膳所に帰ったが,晩年は不遇のままに次第に俳諧から遠ざかった。<参考文献>大内初夫『芭蕉と蕉門の研究』
(田中善信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報