「仙覚(せんがく)抄」とも。「万葉集」の本格的注釈として最初のもの。10巻。仙覚著。1269年(文永6)武蔵国で成立。防人歌などもとりあげている。「万葉」の意味を「よろづのことのは」ととらえ,その成立を聖武天皇の時代,撰者は橘諸兄(もろえ)・大伴家持(やかもち)とする。以下巻順に難解歌を抄出し「風土記」逸文なども引用して注釈を加える。「万葉集叢書」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…(2)1246年はまた従来無訓のままであった152首の歌に新点を加えた年でもあるが,その後も改訓に努め,文永本はそれらを集大成している。(3)1269年に《万葉集註釈》(《仙覚抄》)を著し,《万葉集》の名義や成立を論じるとともに,811首の歌について注釈を加えた。彼の学風は合理優先,独断を極力避ける科学的態度を貫いているといってよい。…
…《万葉集》は,口承段階から文字使用の定着へという文明初期の歴史的条件を背負いつつ,日本における文学の誕生を記念し,かつ後世に向かって開かれた大きな文化の水源をなすものといえよう。
[研究史,影響]
《万葉集》の解読作業は平安初期よりはじまり,鎌倉期の仙覚《万葉集註釈》(1269)においていちおうの集約が行われたが,研究として本格化するのは近世期の国学の勃興に伴ってである。契沖《万葉代匠記》(1690)をはじめ,賀茂真淵《万葉考》(1768),加藤千蔭(ちかげ)《万葉集略解(りやくげ)》(1800),岸本由豆流(ゆずる)《万葉集考証》(1828),鹿持雅澄(かもちまさずみ)《万葉集古義》(1844ころ)など多くの注釈書が著された。…
※「万葉集註釈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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