外浪逆浦(読み)そとなさかうら

改訂新版 世界大百科事典 「外浪逆浦」の意味・わかりやすい解説

外浪逆浦 (そとなさかうら)

茨城県南東部,神栖(かみす)市と潮来(いたこ)市の間に位置し,常陸利根川の一部をなす水域北浦とは鰐(わに)川,霞ヶ浦とは北利根川で通じる。面積7.3km2,最大深度7m。古くは流海(ながれうみ)などとよばれ,内陸部への海浸部を構成した。満潮時に海水が河水を押さえ,波浪が逆流したのが浪逆の名の由来といわれ,《万葉集》巻十四に〈常陸なる浪逆の海の玉藻こそ引けば絶えすれあどか絶えせむ〉の歌がある。外浪逆浦に対する内浪逆浦は1950年湖面干拓により水田化され,70年には宅地開発の対象となり潮来ニュータウンが造成された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外浪逆浦」の意味・わかりやすい解説

外浪逆浦
そとなさかうら

茨城県南東部、北浦の南にある湖。神栖市(かみすし)と、潮来市(いたこし)とに属し、南は千葉県に接する。面積7.3平方キロメートル、周囲15キロメートル、最大深度7メートル、水面高度0メートルの富栄養湖。名称は満潮時に逆流して波浪がたつことによる。北浦からの鰐(わに)川と霞ヶ浦(かすみうら)からの旧北利根(とね)川(常陸(ひたち)利根川)が流入する。周囲は干拓が進んでいる。ボラシジミ漁獲量は茨城県第1位。干拓地の一部は潮来ニュータウン住宅地となった。水郷筑波国定公園(すいごうつくばこくていこうえん)に含まれる。

[櫻井明俊]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外浪逆浦」の意味・わかりやすい解説

外浪逆浦
そとなさかうら

茨城県南東部,神栖市潮来市にまたがる汽水湖。面積 5.9km2,周囲 12km,最大水深 8.9m。北浦から流出する鰐川,霞ヶ浦から流出する北利根川の水を受け,常陸利根川を介して利根川排水。湖名は満潮時に波がさかのぼることに由来。以前は内浪逆浦,外浪逆浦の二つがあったが,内浪逆浦は干拓されて水田地帯,住宅地となった。

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