海底軍事利用禁止条約(読み)かいていぐんじりようきんしじょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海底軍事利用禁止条約」の意味・わかりやすい解説

海底軍事利用禁止条約
かいていぐんじりようきんしじょうやく

正式には「核兵器及び他の大量破壊兵器海底における設置の禁止に関する条約」Treaty on the Prohibition of the Emplacement of Nuclear Weapons and other Weapons of Mass Destruction on the Seabed and the Ocean Floor and in the Subsoil thereofで、海底非核化条約、海底核禁条約ともいう。日本を含めて1971年2月11日に署名され、72年5月18日に発効した。締約国は、核兵器、その他の大量破壊兵器、これらの兵器の貯蔵実験・使用を目的とした構築物、発射設備その他の施設を、沿岸から12海里(約22キロメートル)以遠の海底に据え付けず、また置かないことを約束した。もっとも、沿岸から12海里以内の海底に沿岸国がこれらの兵器を設置することは禁止されていない。また、これらの兵器を装備した潜水艦が一時的に海底に停泊しても、据え付けや設置に該当しないから、この条約にいう禁止の対象とはならない。締約国は、この条約の義務に違反した疑いのある他の締約国の活動について、検証する権利を有する。

[高林秀雄]

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百科事典マイペディア 「海底軍事利用禁止条約」の意味・わかりやすい解説

海底軍事利用禁止条約【かいていぐんじりようきんしじょうやく】

1971年2月,米・ソなど40ヵ国余が調印に参加した条約。〈海底非核化条約〉ともいわれる。1970年12月の国連総会本会議が支持決議を採択し,1998年現在103ヵ国が参加している。海底に核兵器その他大量破壊兵器発射装置の設置やそれら核兵器の貯蔵・実験・使用を目的とした施設の構築を禁止し,その適用範囲は沿岸から12カイリ以遠とし,各国は適用範囲内での相互監視を認めることなどを約定した。

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