海洋気象観測船(読み)かいようきしょうかんそくせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海洋気象観測船」の意味・わかりやすい解説

海洋気象観測船
かいようきしょうかんそくせん

海洋観測および海上気象観測を業務とする観測船。地球温暖化の予測精度向上につながる海洋中の二酸化炭素量の監視,および海洋の長期的な変動をとらえ,気候変動との関係を調べるために,西太平洋および日本周辺海域で観測を行なっている。観測船は,海洋の表面から深層にいたるまでの水温塩分および海流などの海洋観測を行なうとともに,海水中の金属油分等の汚染物質,その他の化学物質のほか,二酸化炭素など地球温暖化の原因とみなされる温室効果ガスの海上および海水中の濃度の測定を行なう。また,船上では気圧,温度,湿度,風などの海上気象観測を行なうほか,高層気象観測等も実施する。気象庁では 2010年3月までは,5隻の海洋気象観測船(啓風丸,高風丸,清風丸,長風丸,凌風丸)で運用していたが,気象衛星アルゴフロート漂流型海洋気象ブイロボットが観測船の役割の一部を担うことになったため,2010年4月以降は 3隻を廃止し,啓風丸と凌風丸の 2隻での運用となった。

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